上半身は筋肉が目立つところなので通常多くのトレーニーは上半身を主体に筋トレに励むことが多いかと思います。種目も多いですし。
上半身はざっくり分けると前側を鍛えるか後ろ側(背中側)を鍛えるかということになりますが、今回は前側に焦点を当てて考えてみたいと思います。
角度の違いで狙いが変わる
上半身の前側を鍛える主要種目といえばベンチプレスですが、ベンチプレスだけやっていればいいのでしょうか?
そういうわけではなさそうです。
ベンチプレスだけでは大胸筋を制覇できない
ベンチプレスは上半身の前面の最も目立つ大胸筋を鍛えられる主要種目です。
主働筋は大胸筋、上腕三頭筋、三角筋前部といわれています。
主役で働く筋肉ということですね。
大胸筋とはなっていますがさらに突き詰めると大胸筋中部および下部、上腕三頭筋はしっかり使われます。
ただ肩の筋肉の三角筋の前部はそれほど鍛えられている感覚はないというのが正直なところです。
ベンチプレスさえやっておけば少なくとも大胸筋の筋トレとしてはOKかというとそういうわけでもないんです。
大胸筋はとても大きな筋群で筋トレにおいては上から上部、中部、下部と3段階に分けてより狙いに沿った筋トレを行います。
ベンチプレスはこの3段階でいうと中部、下部への効きは強いのですが、実は上部への効きが少し足りないのです。
では大胸筋の上部への効きを高めることが出来る種目といえば何があるのでしょうか?
インクラインプレスで大胸筋上部を効かせる
ベンチプレスはベンチにフラットに寝て行う種目ですが、インクラインプレスはベンチに傾斜をつけて行う種目です。
動作はベンチプレスとほぼ同じですがフラットに寝るのではなく斜めにした状態で行うという違いがあります。
傾斜の角度は一般的に30度もしくは45度にして行うことが多いと思います。
インクラインプレスでは主働筋としては大胸筋上部および中部、上腕三頭筋、三角筋前部が働きます。
少し胸から肩のほうに効きがシフトしていっているのが分かるかと思います。
ベンチプレスでは効きがあまり感じないとお伝えした肩の三角筋前部もしっかり負荷を感じられます。
シートを斜めにして行うインクラインプレスはベンチプレスよりも難易度が上がるのでバーベルで行うよりもスミスマシンもしくはダンベルで行う人が大半です。
バーベルでのインクラインプレスは筋トレ中級者以上向けといえるので筋トレ初心者の方はスミスマシンかダンベルで行うものと思って頂いて大丈夫です。
ショルダープレスで肩に効かせる
ベンチプレスはフラットに寝る、インクラインプレスは30度か45度の傾斜にして行う、そしてショルダープレスは垂直もしくは垂直に近い状態でプレスの動作を行う種目です。
主働筋は三角筋中部、上腕三頭筋です。
いよいよ上半身を立てた状態にすることで大胸筋の仕事はほとんど減り(大胸筋上部はそれなりに関与するが)、今まで脇役だった肩の三角筋の中心部である三角筋中部が主役に踊り出ます。
あとベンチプレス、インクラインプレス、ショルダープレスいずれにおいても腕の上腕三頭筋は主働筋として働いてくれています。
ショルダープレスはダンベルもしくはスミスマシンで行う人が多いと思います。
バーベルでも行えますがバランスの保持が少し難しいところもあるので筋トレ初心者の方はまずはダンベル、スミスマシンから入っていきましょう。
インクラインの30度と45度の違い
30度か45度で行うと書きましたが、その違いは何があるのでしょうか?
30度ということは45度に比べてフラットに近いので効きがベンチプレス寄りということになります。
45度ということは30度に比べてシートを立てるので効きがショルダープレス寄りということになります。
グラデーションが掛かるように効く部位が変わっていく
この3つを見ていくとフラットからインクラインから垂直と徐々に角度が変わることで効く部位が移行していくのが分かると思います。
ベンチプレスだけでは大胸筋上部や肩への効きが物足りないし、ショルダープレスだけでは大胸筋への効きが得られないというわけです。
それぞれはピシャっと線を引くように役割が仕切られるわけではなくグラデーションが掛かるように徐々に効く部位や比率がズレていくイメージです。
役割の比率
フラットのベンチから徐々に立てていくことで役割の比率が変わっていくわけですが独断と偏見で効き度として表してみました。
ベンチプレス:
大胸筋上部(効き度3)、中部(効き度5)・下部(効き度4)、上腕三頭筋(効き度5)、三角筋前部(効き度1)
インクラインプレス30度:
大胸筋上部(効き度5)・中部(効き度4)、上腕三頭筋(効き度5)、三角筋前部(効き度2)
インクラインプレス45度:
大胸筋上部(効き度5)・中部(効き度3)、上腕三頭筋(効き度5)、三角筋前部(効き度3)
ショルダープレス:
大胸筋上部(効き度1)、上腕三頭筋(効き度5)、三角筋前部(効き度4)・中部(効き度5)
まとめ
上半身の前面はベンチプレスだけでなくインクラインプレス、ショルダープレスも定番種目として行えばほとんどの範囲を網羅できる。
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