ベンチプレスはジムでの筋トレの中でも一番の人気種目といってもいい種目かと思います。
主に大胸筋、上腕三頭筋を鍛えるため逞しい上半身作りには必須の種目といってもいいかも知れません。
でもこのベンチプレス、肩を痛めやすい種目でもあります。
肩の痛みの回避や痛いときに代わりになる種目を考えてみましょう。
肩の痛みはベンチプレスあるある
ベンチプレスを長年やってきている筋トレ中級者以上の方であれば、ベンチプレスで肩を痛めた経験のある割合は50%以上はいるのではないでしょうか?
それくらいベンチプレスによって肩を痛めてしまうのはベンチプレスあるあるといえますが、何故痛めやすいのかをまずは知っておきましょう。
肩回りの筋肉は細い
ベンチプレスにおいて鍛えられる筋肉の主役、主働筋になるのは大胸筋、上腕三頭筋、三角筋前部といわれています。
大きい筋群の大胸筋、上腕の3分の2を占める上腕三頭筋は強い力を発揮できる箇所ですが、ベンチプレスの動作において、その支点になって支えてくれているのが肩周りの筋肉です。
肩周りはひとつの筋肉でなく複数の筋肉が働いてベンチプレスの際も仕事をしてくれているのですが、いずれの筋肉もドッカンとでかい大胸筋に比べたら細い筋繊維で構成されています。
大きい大胸筋や上腕三頭筋を鍛える動作のサポートをするので、扱う重量は高重量なのに支える肩周りはちょっと雑に扱っても大丈夫なほどタフではなく繊細な部位なんです。
フォームや軌道がズレると強い負荷が掛かりすぎてしまい痛める可能性が高いといえます。
肩を捻る動作が生じる
具体的にどういう動作で痛めやすいかというと肩関節が捻じれる動作が挙げられます。
ベンチプレスでのバーベルを胸元に下ろしていくときに少なからず肩関節が外に捻じれる ”外旋” という動作が伴います。
この捻じれる動作は肩を痛めるリスクを高めるのでいかにこの ”捻じれ” を抑えるかが大事になってきます。
痛めにくくするには?
ではベンチプレスにおいて肩を痛めにくくする具体的な手段はどういうことがあるかご紹介したいと思います。
首寄りに下ろさない
これは筋トレ初心者がよく行ってしまう軌道なのですが、ベンチプレスの際バーベルを胸元に下ろしていくときにバーベルのシャフトを首のほうに下してしまうことがあります。
基本的には胸元に下すと書いたように首ではなく胸元、胸のトップ(一番胸の出ているあたり)付近に下ろすのがおすすめです。
胸のトップに下ろしていくのと首に下ろしていくのでは、わずか数センチの軌道の違いではありますが首に下ろしていくと肩が外に捻じれる外旋が強く出てしまい肩を痛めるリスクが圧倒的に高まります。
またそもそも首付近に下ろすことはもし潰れてしまったときのことを考えても大変危険です。
勿論セーフティーバーはセットしておく必要はありますがうっかりセットしてなかったとか、大丈夫だろうと思ってセットしていなかったということも有り得ます。
このようなことからも首付近に下ろしていく軌道は良いことがないので、今そういう軌道になっているという方は悪い癖が染みついてしまう前にフォームの改善に努めましょう。
同じ軌道を描く
ベンチプレスはマシンとは違うのでバーベルの上げ下げは自分自身でコントロールをして軌道を描いていかないといけません。
胸元に下ろすも首元に下ろすも、左右のグラつきも全部自分でバーベルの軌道、コース取りを作っていく必要があります。
筋トレ初心者の方はこのフリーウエイト独特の不安定さに慣れるのが最初は大変ですが、グラグラしてベーベルがあっちいったりこっちいったりという軌道は急激に一方の肩に負担が掛かってしまうリスクが高まり、結果肩を痛めることに繋がり兼ねません。
常に同じ軌道を描いてバーベルを上げ下げすることで高重量でも肩を痛めるリスクが少なく大胸筋や上腕三頭筋を強化できるわけです。
バーベルの軌道を見ればその人が筋トレがどの程度出来る人かおおよそ分かります。
同じ軌道を描く意識、重要です。
手幅を変えてみる
手幅によって肩へのストレスが変わってくるので、手幅を変えることで痛みを感じなく出来る可能性もあります。
基本的には広めに持つと多少肩の ”捻り” が高くなります。
ただ広く持ったほうが大胸筋に働きやすく高重量が扱えることが多いのでそこは好みと肩への感じ方次第かと思います。
少し狭めに持つと肩の ”捻り” は軽減されますが上腕三頭筋の役割が高まり、腕の上げ下げの距離が長くなるので広めよりは高重量が扱いにくくなりがちです。
といってもそこは人それぞれなのであくまでも一般的にはということです。
肩の痛みに関して言えば、もし広めの手幅だった人は少しだけ狭くして試してみては如何でしょうか?
代替種目は?
ベンチプレスやりたいけど、やると肩が痛い、このまま騙し騙しやっていても一向に良くならないからしばらくはベンチプレスはやめておこう、でも何かやっておきたい、こういうジレンマあるかも知れません。
では代わりになる種目としては何が考えられるでしょうか?
ダンベルプレス
ダンベルプレスはベンチプレスと同様の動作をダンベルで行う種目です。
”ベンチプレスで肩が痛いんだからダンベルでやっても痛いでしょ?”
と思うかもしれません。確かにその可能性もありますがダンベルプレスなら大丈夫というケースもかなり多いです。
何故かというとベンチプレスは一本のシャフトを握って行うので下ろしていったときもそのシャフトに制限されて手首や肘を自由に捻って動かすことがほとんどできません。
”もう少し手首を内に捻れれば肩への痛みが回避できるのに”
と思ってもシャフトを捻じ曲げることなどできないので笑 ある意味強制的に肩に負担は掛かるわけです。
でもダンベルプレスは左右独立してダンベルを持つので手首は自由に回せます。
この自由な分、下ろしていったときにベンチプレスだと肩が痛くなってくるポイントで少し手首を調整すると肩の捻じれを抑えることができて痛みを感じずに動作が行える可能性が高いです。
ただし行うときは通常のフラットに寝たダンベルプレスがおすすめです。
シートに角度をつけたダンベルインクラインプレスは肩の捻りが高まるので、手首の自由度はありますが肩を痛めているときに行うのは注意が必要かも知れません。
チェストプレス
チェストプレスはレジスタンスマシンでの大胸筋、上腕三頭筋種目ですね。
マシンの特徴は軌道が決まっていることです。
勝手に斜めにいってしまったり、グラつき補正するといったことがありません。
ただただ押すことのみに専念できます。
イレギュラーな負荷が掛かる心配がないので、シートの高さを調整して軽い負荷で動作確認をして痛みを感じないところが見つかれば安心して行えます。
安全第一で行うならマシンは選択肢の第一位かも知れません。
デクラインベンチプレス
デクラインベンチプレスは肩よりもお尻のほうが高くなるポジションで行うベンチプレスです。
ベンチプレスで肩が痛くなるのは外への捻じれが原因になりやすいことは話してきましたが、ベンチプレスでは肩とお尻は同じ高さ(フラットに寝ているので当然ですね)でしたが、インクラインプレスだとお尻よりも頭が高い位置になりますが、これは肩の外への捻りが高まるので回避したほうがいいわけですが、逆にお尻のほうが肩よりも高くなるデクラインベンチプレスは肩の捻りがベンチプレスよりも緩やかになります。
緑の線がデクラインプレスにしたときの身体のポジションのイメージ↓
そういう意味ではベンチプレスだと肩が痛いけどデクラインなら大丈夫という可能性はあります。
やり方はデクラインができるベンチ台があればいいのですが、これはどのジムにもあるわけではなく、むしろないところのほうが多いと思いますでの通常のフラットベンチで行うやり方ですが、両足を床ではなくベンチ台に乗っけて膝を立ててお尻を浮かしてベンチプレスを行います。
横から見たら高さ順にいうと 膝>お尻>肩 となります。
本来はデクラインプレスは大胸筋の下部を特に狙った種目なのですが、肩への負担はベンチプレスよりも緩いので選択肢としてはありではないでしょうか?
ナローベンチプレス
ナローベンチプレスは手幅を肩幅よりもさらに狭く持って行う種目です。
肘は外に割れないように体側に沿って動作を行います。
通常は上腕三頭筋や大胸筋の内側(内側の段差を付けてモコっとした仕上がりにしたいなど)狙いの種目ですが、これもベンチプレスよりも肩の捻れを抑えられるので通常のベンチプレスだと痛くてできないけどナローでならできるという可能性はあるので試してみる価値はあると思います。
緑の線がナローでの腕の幅のイメージ↓
まとめ
肩の痛みは人それぞれなので痛みを感じる種目、感じない種目がどれなのか自身で軽い重量から試してみて合うものをチョイスして下さい。
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