下半身強化の代表的な筋トレ種目といえば、”トレーニングの王様” スクワットですが、マシンでの下半身強化の定番といえばレッグプレスと言っていいでしょう。
”レッグプレスでは100kg出来るのにスクワット(バーベルを担いでの)だととても100kgなんて出来ない”
と言う声がありました。
どちらも下半身を鍛える種目ですがどのような違いがあるのでしょうか?
どこが鍛えられるか
どちらも下半身が鍛えられる種目ですが確認してみましょう。
バーベルスクワット
- 大腿四頭筋・・太ももの前面
- ハムストリングス・・太ももの裏側
- 大殿筋・・お尻の中心部
上記の3つが鍛えられることは勿論ですが、バーベルを担いでのスクワットは更に
- 脊柱起立筋・・背骨に沿って縦に付いている背筋群
も鍛えられます。
この脊柱起立筋が弱いと肩口に担いでいるバーベルの重量に上半身が耐えられず上体が丸まってしまったりバランスが取れなかったりしてスクワットの動作がまともに行えなくなります。
脊柱起立筋の安定があってこそのバーベルスクワットと言えます。
他にも上体の安定の為に腹筋群にも負荷が掛かります。
よく体幹トレーニングという言葉を効くと思いますがバーベルスクワットをすれば勝手に体幹トレーニングは行ってくれているというわけです。
バーベルスクワットでは全身の筋肉の6割程が使われると言われています。
さすがトレーニングの王様と言われる種目です。
レッグプレス
- 大腿四頭筋・・太ももの前面
- ハムストリングス・・太ももの裏側
- 大殿筋・・お尻の中心部
太ももの前後とお尻の大殿筋が主体に(主働筋)として使われるのはバーベルスクワットと同等なのですが、レッグプレスは上半身はシートに寄りかかって行います。
押し込むときにバーベルスクワットのように重さが ”のしかかる” ことがないので脊柱起立筋等上半身の筋群への働きはほとんどない種目となります。
バーベルスクワットではレッグプレスの重量が扱えない理由
レッグプレスでは100kg出来るのにバーベルスクワットでは100kg出来ない。
同じ下半身の大腿四頭筋、ハムストリングス、大殿筋を主体に使うのにバーベルスクワットのほうがきつい理由が少し見えてきたのではないでしょうか?
レッグプレスでは脊柱起立筋に負荷が掛からない
上記で軽く説明していますが、バーベルスクワットでは担いだバーベルをスクワットの最中体勢が崩れないように脊柱起立筋などの上半身への負荷が掛かり続けるのですが、レッグプレスは上半身は背もたれに支えられているのでほとんど上半身へは強い負荷は掛からず下半身のみに注力して行うことになります。
なのでレッグプレスしかやっていない人がバーベルスクワットをやると上半身に掛かる負荷に耐えられずスクワットをこなせないということが起こるわけです。
それがひとつの理由でもあるのですが、更に別の理由もあります。
レッグプレスでは上半身の重さが負荷になっていない
これ意外と見落としがちなのですがよく考えてみれば分かると思います。
レッグプレスで100kgを扱うとき、主に大腿四頭筋、ハムストリングス、大殿筋の力でその100kgを押すわけですよね?
ではバーベルスクワットの場合はどうなるでしょうか?
バーベルを担いでしゃがんで立ち上がる動作はやはり大腿四頭筋、ハムストリングス、大殿筋が使われ、さらに前述したように上半身の安定のために脊柱起立筋などが働くわけですが、このとき100kgを担いでいても下半身の負荷になっているのはバーベルの100kgだけでしょうか?
自身の上半身の重さも下半身にとっては負荷になっているんです!
上半身の重さは人によりますが全体重の6~7割になるそうです。
仮に体重70kgの人だと70kgの6割として42kg。
そうです、バーベルスクワットのときは100kgのバーベルの重さプラス42kgの上半身の重量、合わせて142kgが下半身に負荷として掛かっているわけです。
レッグプレスでは上半身分は下半身に負荷として掛からないので100kgの設定ならそのまま100kgしか負荷が掛からないわけです。
少しまとめると体重70kgの人が100kgの重量のバーベルスクワット、レッグプレスを行う場合
- バーベルスクワット 上半身の負荷100kg 下半身の負荷142kg
- レッグプレス 上半身の負荷ごくわずか 下半身の負荷100kg
といった感じになります。
レッグプレスで100kgの人がバーベルスクワットで100kgを扱おうとすると上半身に今までほとんど感じたことのない100kgの負荷がかかり、さらに下半身にもバーベルの重量プラス自身の上半身の重さが加わるのでとても100kgでは出来ないわけです。
自重のスクワットでも上半身に効く?
少し話しが逸れますがバーベルを担がない自重でのスクワットでも脊柱起立筋など上半身にも効くのでしょうか?
上半身の姿勢が崩れないように行うことで勿論使われますが重量を担いでいるわけではないので、バーベルスクワットほどの体幹への恩恵はありませんが日常での姿勢作りには貢献してくれるので上半身を正して行うのはとても大事です。
自重スクワットでも回数をこなせば効いてくるのは自身の上半身を重りとして行っているということを改めて確認出来たのではないでしょうか?
まとめ
レッグプレスでバーベルスクワットと同じ重量が扱えないのは
バーベルスクワットは上半身に負荷が掛かる、レッグプレスはほとんど掛からない。
バーベルスクワットは重量プラス自身の上半身の重さが加わる。
重量はイコールの関係ではないのでそれぞれに合った重量に設定して行いましょう。
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